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大腸がんを予防する食事

大腸がんの発生率は国によって大きな差があり、他の国と比べ発生率が10~20倍高い国もあります。大腸がんの発生には遺伝もある程度関係していますが、専門家はこの発生率の違いの90%は食生活が関係していると話しています。大腸がんは恐ろしい病気ですが、この病気になるかどうかは自分でコントロールすることができます。

リンパ節に転移しているステージⅢの大腸がん患者1,009人について5年4ヶ月追跡調査した結果、主に加工食品やファストフードなどを食べていた人は、健康的な食事(果物、野菜、全粒の穀類、魚、鶏肉など)をしていた人に比べ、再発率が3.25倍高いことが明らかになりました(米国医師会雑誌 Vol297, No.7 2007年8月15日掲載の論文より)。

大腸がんのリスクを減らす食事は、全ての病気のリスクを減らす食事法にもなります。その方法はとても簡単で、添加物の入った加工食品を避け、果物と野菜をたくさん食べることです。

その要点を以下にまとめてみました。

注意したいこと

  • 赤身肉を摂り過ぎると大腸がんになる可能性が高くなります。赤身肉の摂取は1日100g 程度(調理前の重量)までにしましょう
  • 加工された肉(ベーコン、ソーセージ、サラミや保存処理された肉)は避けましょう。世界がん研究基金は、「加工された肉は、大腸がんになる可能性を高めるという強力な証拠がある」という結論に達しました。
  • 砂糖と塩漬け製品の摂り過ぎは避けましょう
  • お酒はほどほどにしましょう

お勧め食品

  • 有機栽培の果物や野菜。特にリンゴ、クランベリー、ブルーベリー、ぶどう、グレープフルーツは抗酸化物、食物繊維、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています
  • 全粒の穀物。食物繊維が豊富に含まれています
  • 鮭、ニシン、さば、ヒラメなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている魚
  • タマネギ、ニンニク、長ネギ
  • ブロッコリー、ケール、カラシナなどの緑色の葉物野菜
  • ウコン、ショウガ
  • 緑茶

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食物繊維は、大腸がんを予防するために最も重要な栄養素の一つです。胆汁酸塩と結合し大腸内の不要な物質を取り除きますが、これが行われず便が長い間滞ると、がんを引き起こす物質に変化します。また、大腸においては有益な腸内細菌の成長を促し、発がん物質の活性化を妨げます。

さらに、食物繊維は腸内で自然に発酵して短鎖脂肪酸と呼ばれる物質に変化しますが、これには腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑制したり、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進するなど健康を維持するための様々な機能があります。

残念なことに、多くの人は食物繊維を十分摂取していませんし、加工食品に添加された人工の食物繊維(例:ポリデキストロース)など、体にあまりよくないものを摂っている場合もあります。繊維質は自然の食品から摂るようにしてください。

また、体内の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸も大腸がんのリスクを減らしてくれます。卵黄、ナッツ類、ベリー類、上記のお勧め食品で挙げた魚、フラックスシードオイルなどを食事に取り入れ、十分な量のオメガ3脂肪酸を摂取していきましょう。

自分自身の健康を保つことは難しいと感じている方もいるかもしれませんが、自分でコントロールできることはたくさんあります。正しい食事、運動、水をたくさん飲むこと、そして、時々外に出て気分転換をするなどして、リラックスする時間をもちましょう。そうすることで、あなたの大腸がんのリスクはかなり低くなるでしょう。

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